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Replacement Procedure.

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クランクケースの左側、スプロケットシャフト側を支えるベアリングレースを交換します。

これは1955年からずーっと採用されている仕様で、ホイールベアリングにも使われるテーパーローラーベアリングってのを使用しております。

Noriの1954年は最後のニードルローラーベアリングで、厳密に言うとクランクがケースの中で動く仕様です。

そのため、そこのクリアランスをシビアに調整する必要があるのですが、こっちは圧入でオッケー。

う~~ん、簡単・・・

よく、「どっちがいいんですか?」と質問されますが、んなのどっちでもいいんじゃね?的な(笑)

キッチリと組まれていれば壊れません。

好きな年式、好きなカタチ、見た目が好みで、乗りたいモデルに乗りましょう。




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で、ベアリングレースの間には、こんなカタチのリングが入っております。

これがレースを圧入した時のストッパーになるのであります。

内側と外側、両方からレースを圧入し、ベアリングでクランクケースを挟むような構造です。

リングをハメる際にはちょっとしたコツがあるのですが、縮めてパチンです。

そもそも、ここのベアリングにオイルを行かせるためにレースの受け上部には穴が開いてるワケなんですが・・・




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これ向きがダメーーー!(笑)

レース入れたら穴が塞がっちゃいます。

オイルが行かないってのは、つまりアウトな状況です。

圧倒的な寿命の短さと、他の追随を許さない発熱量がエンジンを壊します・・・。






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んで、この向きが正解。

クランクケースの内側から、穴に入ったオイルが、スプロケットシャフトのベアリングを潤滑する仕組みです。

ケースに開いてる穴という穴は、絶対理由があって開いてるワケですので、

本当に気をつけないとイケマセン。

例えば年式違いのガスケットを使用して穴位置が異なったり、

液体ガスケットを塗布しすぎて穴が塞がったり。

かなりシビアに出るトコもありますので注意。





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そして今回1番に訴えたいのは、

こんな感じのベアリングレース抜きツール、「押さえくん」を使用していただきたいという事。

この「押さえくん」はボスの手作りですが、例えば変なとこ押さえてプレスで押すと、ケース破壊します。

いろんなブログで見ると思いますが、

「レースの鋳込みが動いちゃってますのでケース交換です・・・」的なやつ。

原因はこの辺にあります。







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反対側、ピニオンシャフト側のケースレースの交換でも、確実に抜く時、圧入する時のチカラが、弱いところにかからないような「押さえくん」を使って下さい。

どうしても交換に必要な、この場合で言うところの「レースを押す道具」に目が行きがちですが、

大切なのは段取りです。

アナタのそのワンプッシュが、大切なクランクケースを2度と使えないよう破壊してしまう原因にならないように。









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そして・・・

なかなか傷が消えないと思ったらクラックでした・・・

さすがにピストン割れるほど抱きついてたので、シリンダーにも相応のダメージがあったようです。

M様、シリンダー交換させてください・・・

またお電話させていただきます・・・

こういう報告って、キツイですよね。


めっっちゃ調子良くしますので。





by lwe31x | 2014-10-29 22:43 | Information
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